上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

月明かりのみが照らす街道沿いの雑木林。
その中に私、私たちはいた。

時折耳元で鳴り響く不快な音との格闘はすでに今夜で何度めだろうか。
フードを口元までおろし、襟元をしっかり締めているはずなのに
その煩わしい音は全くもって防ぐことはできそうにない。
むしろフードによる蒸し暑さをどうにかしたいと思い始めている自分がいる。

私と同じく、この蒸し暑さと虫の羽音に悩まされている者たちが3人。
一人は穴掘りのドワーフ(男)、残りの二人は前衛型の戦士職(男)。

無言に耐え切れず、私は眼前のフードをはだける。
「あつい・・・ですね。」



なぜ私たちがここにいるのか、それを説明するのはえらく簡単だ。
出会ったのはタタルカの街のパーティー掲示板。

【専門:後衛攻守】
【要望:金銭工面のできるパーティー(PT)求む。】

という胸の張り紙をしてすぐに私は彼らと出会ったわけで。
彼ら三人はもとからのPTらしく、勇者のPTを目指しているらしい。
そんな彼らとなら楽にお金を稼げるだろうと思った、私が馬鹿だったらしい。

しかも、勇者のPTを目指すと公言しておきながら彼らがやろうといった金稼ぎは…。




「たっく・・・どんだけ待っても人っ子一人通りやしねぇーよ。」
戦士職の男が愚痴を漏らす。
「ほんとだぜ・・・、楽に金が稼げるとおもったのによぉー・・。
 タミルちゃんもそうおもうでしょー?」

「は、はいっ。」
唐突に呼ばれた自分の名前にびっくりしながらも私は一応はいと言っておく。
そう、彼らのやろうとしているの夜盗まがいの強盗行為。

私はてっきりどこかのダンジョンにでも潜るのかと思っていたのに…。
『勇者を目指してる』、なんて言葉をだけで彼らを判断した私にも落ち度はあるけれど。
しかしPTを受注してしまったからには、
酒場や神殿などの所定の場所でPTを解除してもらうまではそのままなわけで。
しかし、解除するまで私のステータスには夜盗PTの一員と表示されていると思うと
気が重くってくる…。

はぁ・・、とあとの三人に聞こえないように溜息をつく。
とりあえず今夜中に誰もこの街道を通らないことを祈るしかない。


「はやく・・はやく朝になってよぅ・・・。」
タミルの言葉はただ心の中で反芻されていく。





スポンサーサイト



















管理者にだけ表示を許可する





| HOME |


Design by mi104c.
Copyright © 2017 ブルブルッ電波ッ!, All rights reserved.

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。