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明日は朝からだって言うのに暗がりの中、いるは夜目を効かせてあたりを深視する。

ヴァルロッサの家は丘陵部の上にあり、
それを取り囲むように裾野一帯には暗々とした深い森がを取り囲むようにある。
森の中には幾重にも呪を錬ることでできた結界が張り巡らしてあり、
《家に行く》という意思を持った者達は
総じて永遠にたどり着くことはできなくなるようになっている。

その呪は特定の順序で進む、
つまりは解呪することで森を抜けることができるようになっており、
普通の人間たちならそこに結界がはってあるということに
気づくこともなくこの場を離れてしまう。

しかしヴァルロッサの言うとおりなら、入ってきた奴等は
確実にそれを看破してここに向かっていることになる。

ぱらぱらと寒い夜を小雨が叩き始めている。
雨により一層気配を感じることができなくなってるな…。

『イル、聞こえるかい?』
突然頭に大きな声が響く。

『声を出すんじゃないよ、一方的にこっちから念話をおくってるんだよ。
 あたりに認識誤踏の霧を張るからね、あんたの飼い犬で雑魚の数を減らしな。
 分ったね?、じゃ切るよ。』

…、イルの困惑とは関係なく、ヴァルロッサからの声は途切れる。

俺は仕様がないとばかりに左腕を鷲掴みする。
痛覚は切れるけど、これってあんま好きになれないね・・・。

袖を肘上まで捲りあげ、肘から上の部分をむんずと掴化見直す。
右手で掴み心地確かめたのちぐんっ、と腕を思いっきり引っ張りそのまま引きちぎった。


千切れた左腕は遠心力のまま右手の先で躍る、
しかし力任せに引き千切られたはずのその断面は
まるで鋭利な刃物で切り落とされたかのように綺麗な断面を見せ、
血の一滴も出てはいない。
そこには最初から取り外し様のアタッチメントが付いていたかのように。

イルはそれを何の躊躇もなく無造作にそこいらに投げ捨てる。

「死の謹言は闇を柔らかに照らす灯の光。
 その尊き調べに耳を傾けろ。
 私の敵は何処だ、あなたの敵は何処だ。
 あなたの敵はそこに、私の敵は七眼放埓の顎。」
 
ごろんと地面を跳ねた腕は少し未練を感じたのち一面に広がる闇に解けるように消えた。

「探している、あなたの敵を探している。
 動かなければ見つからない。
 ならば立ち向かい覆いかぶさる悪となれ。
 然らばあなたは時として敵と巡り合う。」


頃合い、かな。
イルはしゃがみ込むと残った右手で地面を数回ノックする。
「出て来い。」

その声と共に地面が脈動するかのように数拍波打つと
そこからは何とも言えない色の口先のするどい犬らしきもの
大きな顔を覗かせている。

《久しく呼んだか、主人。》
肉質の感じられる肉声が地面から出た鋭い顔をした猟犬を思わせる顔から響く。

「あぁ、悪いが少し頼みたいことがある。
 今の周りの状況、すこぶる悪いんだ。
 少し荒らしてきてくれないか、フカクサ?」

《主人が自分から頼むとは珍しい。
 大抵私が勝手に動いて止めるのが主人のはずだった。
 で、殺していいのか、残した方がいいのか?》

「まだ喰うな、とりあえず奴等の足を削れ。」

《御意に。》

そういうとフカクサと呼ばれた使魔は音もなく闇の中を駆けて行く。
それを見送るとイルはそこにそのまま腰をおろした。



普通の使魔は血だけでその契約を済ませ、
地文字の印を書くことで契約した異界から使魔を呼び寄せる。

しかし、イルの場合は肉体の部位そのものと契約を交わす。
それは【肉体】を実態のない使魔に与えることにより、
彼等は彼等の法則を持ったまま、
より強大な力を持ったままこの世界に顕現できるからだ。

確固たる質量をもたない使魔は現世の強制力、
つまり世界を通常たらしめるある種の力により
現世の法則から外れる力を使うことはできなくなるという足枷をつけられる。

だからイルの肉体を所在として与えることで、
彼ら使魔はこの現世で本当の力を発揮することができるようになる。




少しと間をおかず、サハクの唸り声が森から響く。
どうやら目的としていた敵を見つけたらしい。

こっちから行くかな、
イルは片腕で器用にバランスをとり立ち上がると唸り声のした方に足を速めた。








「ちぃ・・・、何処から襲ってきてヤがるんだっ!?
 全員散開して距離をっぁぁああっ!?」

自分の影に喰いつかれた男は何も理解する間もなく体を高く放り投げられる。
一瞬の、だが永遠に近い落下の恐怖は地面への痛打で否応なく意識ごと途切れる。

フカクサはにじり寄っては離れていく敵を見て鼻を鳴らす。
《骨のない。戦火は衰えたか人間。》

鎧もたいしたものを着けていないものが大多数なのを見ると、
敵である者たちは野盗か何かの集団であるとみていいだろう。
しかしフカクサは解せずにいた。

これを指揮する者がいない。
これだけの集団ならば確実に人を動かせる人間がいなければ纏まることはない。
もとより人に従うことを嫌う人間だからこそ野に下った者たちがこの人間たちなのだ。


フカクサは影に潜っては次々に群れている人間を
下から鼻で突き上げては影の中を疾駆する。

「下だっ!
 影を使ってやがる!
 光を上げろ!」

その声とともに空に高々と光が昇る。
打ち上げられた幾つもの人造太陽により闇と影はすべて消えさる。
それと同時にフカクサの潜っていた影の沼は消えさり、
その大きな体を光のもとに現す。

《ちぃ・・・大きすぎる光は影を喰う。悪いが主人ここまでだな。》

いつの間にかフゲクサの横に立つイルにそう告げると巨大な犬の体は
一瞬大きく歪曲したと思うと元の左腕を取り戻す。

「十分だ、もう着いたから。」
イルは落下する左腕を右手でつかみ取るとそのまま左腕を切断面に押し当てる。
切断面と切断面が肉を伸ばしあい、絡まり、即座に腕を形成する。


左腕は・・・、大丈夫だな。
イルは腕の感触を確かめると光に明るく照らされた眼前を眺める。

まだ動けるのが20人超。
暴れるには申し分もない数だ。


それを確認してイルは使うスキルを選り始める。


スキル、それはこの世界で生きていくためには必ず必要となるもの。
スキルは戦士であれ、商人であれ、いくつかのスキルを
レベルに応じて装備することができる。

それは文字通りの装備であり、普通にそのスキルは店でも売買されている。

スキルは自分での日常の修練で積み重ねた技量を言う。
更に特定の過程を経ることで得られる上位スキルも数多くあり、
この世界にはあるはずのない力は、無いというのが定説であり
空間移動、死蘇のスキルが見つかってからは
時間移動のスキルが見つかるのも時間の問題だとさえ言われている。



また積み重ねられた技能、つまりスキルはは各々で違ってくる。
たとえば同じ店で売られている《包丁捌き》のスキルカードだとしても、
そのカードの価値はその技量をより高めた者の方が高くなり、
またスキルをカード化するときにも《固定化》の技能が必要となり、
いくらそのスキルが純粋に高いものでもそのまま100%で抽出されるわけではない。


スキルはカードとして《固定化》することで体に覚えさせる以外にも、
武器や防具それ自体に能力を付加することも可能になる。
例えば、弓にサラマンダーのカードを付加させることで
その矢は火を帯びた火矢になる。

またスキルカードを体に【挿入】することにより取得したスキルは
体に馴染ませていくことにより、カード無しでもスキルの使用を可能にする。
馴染ませることの利点、それはレベル、職、それらいろいろな外因と内因により
体に仕込むことのできるカードは限られている。
今のイルは4枚が限界だが、すでに体になじませてあるスキルがあるので問題はない。

そして、それは武器も同じで、戦士は基本として武器を武器調教《ウェポンブリダー》
により武器を好きに呼び出せるがそれ以外の職で生まれてきたもの達には、
転職や加職をしてもそのキャパ、つまりはレベルが低ければその職スキルは得られない。

だからそのほかの職の者たちは刀を、ハンマーを、爆弾をカード化して体に仕込むことができる。
これも、技系のスキルカード同じく体に馴染ませることができ、体に慣れさせることで
カードを体に仕込まずとも武器を即座に呼び出すことができるようになる。



イルはとりあえず体に馴染ませてある武器を呼び出す。

「大千丸、羅生丸。」
呼ぶだけで両手には二振りの大剣と刀に似た剣が現れる。
突如現れた二振りの剣に怖気づいたのか、
眼前の敵は一向に向かってこようとはしない。
イルはそのまま《膂力》、肉体の能力を大幅に向上させるスキルを発動する。

まるで俺が弱い者苛めしてるめたいじゃないか・・・。
イルは右手に握られた羅生丸を頭上に振りかざし、
もう一方の左手に握られた大千丸を腰溜に構える。

「来いよ、悪党。」

声に誘われたかのように、1人2人と人影が躍り出る。
目の前に疾駆してきた一人に容赦なくイルは羅生丸を叩き下ろす。
切るというよりは重さ任せに叩き割る感覚。
振り下ろされた相手も手に持った盾で防ごうとするが
盾ごと体に叩き下ろされた羅生丸により体ごとつぶされその場に昏倒する。

そのすきに後ろから二人。
イルは振り下ろした羅生丸の遠心力を使いそのまま前に飛ぶ。
飛んだ体の反動でイルは羅生丸を地面から抜きあげ、
大剣の面を後方から2段になって迫りくる二人に叩きつける。
その二人も大剣の重さに耐えきれず、後方に転がっていく。 

「距離だっ、距離とれあっがっ。」

「距離とるのお前なっ」
イルの履く重めのブーツが男の顔にメリこむ。
その顔をそのまま踏み台に上空に軽々と跳躍すると、
羅生丸を地面に向かって思いっきり投擲する。

剣が突き刺さったところを中心に大きな紋が広がるように描かれる。

「発火網塵。」

その言葉と同時に剣に仕込まれていたスキルが紋に入り込んでいた
雑魚を青い焔が一気に燃やし尽くす。
青い焔は入り込んだものを喰い尽すとすぐに消え、
あとには熱さえも残ってはいない。

イルは羅生丸の上に器用に降り立つとあたりを舐め回すように見る。

 
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サクヒン!!!!
久し鰤鰤っすねー

・・・っつかイル、召喚できるんだ!

さっきまで最中と一緒に呑んでたよ!
奴、昨日の帰り遅くてね~~
日が変わる前ギリに帰ってきやがった
最近、喧嘩ばっかでね~~
まぁheat来てるからしょうがないんだけどね~~

召喚獣最中Lv999でドスカ?
弱点はマタタビってことでwwww
【2009/01/02 02:31】 URL | かぜのお~ #-[ 編集]
マタタビで酔える肉体がほしい!
全身擬体化したい!
【2009/01/13 19:54】 URL | だらけネコ@りざん #-[ 編集]














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