世界が存在することを知る。
それは世界自身が世界を知ることで、世界があたしを知る行為だという。

「世界があたしを知るって、どういうことなのよ。
 ただあたしが世界のことを知ったのではなく?」

「もう答えは出ているようなもんさ。
 あんたが言ったことその両方さ。
 そうだね、たとえば嬢ちゃんのこと誰かが知ってるとしよう。
 でも嬢ちゃんがその人のことを知らなければその繋がりはそこまで、だろう?
 けどね、嬢ちゃんがその相手を知るとどうだい。
 繋がりができるだろう?
 そしてお互いを行きかう繋がりはそのまま輪となるのさ。」
彼女は両の手で円を作る。


「でも世界と繋がる、輪になることに何か意味があるの?」

「力が手に入る。
 誰しもが求める最奥がその世界の中にはあるのさ。
 もともとね、力の出来には元来円がある。
 円は縁であり淵。
 その語彙にあるように力は回り、繋がりをつくり、その頂にいたるもの、らしい。」

「らしい・・、ってなんでらしいなのよ。」
私はもっともらしい疑問を投げかけてみる。

「そう、そこなんだねぇ…。
 まぁ有名な昔の魔法使いが見つけたことらしいからあたしにはわかんないね。
 あたしはそんなに博学じゃないしね。」
とヴァルロッサはキセルをノンノンと振る。

そうなの、とうなずいて私は質問する。
「じゃあ、つながることで力が得れるんでしょ?
 その力はどうやったらえられるのよ。」
そう、彼女のいうことがそうなら私はまだ力が得られているはずなのだ。
しかし、自分のを見まわしたところいまだそんな実感も変化もない。 

「そんなすぐに輪ができる訳じゃないさね。
 まぁほかに才能や適性とかいろいろあうだろうけどね。
 あんたはあの力の最奥を受け入れたんだろう?」

「力のさいおう?」

「そうさ。
 イルはこの世界の一つの力の象徴だよ。
 本人からすこしは聞いてるだろ?」

「聞いてるというほどじゃないのよね…。
 夜の王とか何とか言ってたけど。」

あっはははっ
「まぁあながち嘘じゃないね。
 ま、エロの王ってとこさねっ。
 ヒャッハハハハ。」
腹を抱えて笑いだすヴァルロッサ。

「エロ…。
 なんだかんだいっといてやっぱあれはエロ大魔王だったのね…。
 それの眷属になったあたし…。」

「まぁ魔王といって間違いない存在なのはたしかさ。
 そしてあんたはあいつの血を受け入れれた人間。
 最奥に近づける可能性を秘めた器。」


ヴァルロッサはいすに座りなおしながら、
「最たる奥にあるもの。
 この世界を生きる術として誰もが持つものさ。
 人、特に霊長となってからはそれが顕著だがね。
 人は世界と繋がることで一種のエネルギー体を得ることができる。
 それはオドと呼ばれたりチャクラと呼ばれたりするが、
 それの最たる役目は自分を生かすことにあるのさ。
 この世界はいろいろな職によって成り立っている。
 世界を築くランドワーカー。
 世界を安定させるハウスオーナー。
 世界を潤滑させる商い。
 世界を切り開く戦士職。
世界を回す魔法職。
まぁこれだけとはいいきれないほどの職がこの世界にはあるわけさ。
そしてあんたは今世界を知ったそれにより
世界からあんたはひとつの職をもらったはずさね。」

いまいち要領を得ることはできないけれど。
体はそれを知っているようだった。

突如として身体に起こる悪寒にも近い感覚。
頭の裏側を激しく叩かれたかと思ったら、次の瞬間にはそれは体中を動き始めた。

「ちょ、ちょっとこれ何なのっ」

「大丈夫っ。
 それはあんたの望んだ結果なんだからね!」




















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