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ジリリイリリリリリイリリー
耳元でけたたましい目覚めの音が鳴る。
時計のさす時刻は4:00
普通に起床するにはまだ早すぎる時間だがナルミには日常だ。

素早く準備しておいた服を着ながら、
顔を洗い歯を磨く。
戸締りをしてナルミは家をでる。
家といっても学校からそう遠く離れていない寮なのだけれど。

愛機であるバイクXJR400。
通称ペケジェイは今日も快音を鳴らして回っている。
すでに骨董と言ってもおかしくない型落ちだが前の持ち主である
姉の手入れが良かったのか今でも現役そのままだ。


早朝、
とはいってもまだ陽はまだ一行に射す気配はなく
まだ少し底冷えするような涼しい風が吹く。
10分も走ったころ、ナルミは一つの店の前で立ち止まる。

岬川新聞

「おはようございま~す」
ナルミは占められていた引き戸を開け挨拶をする。

「おう、おはよボウズ。今日も走ってきたんか?」
といつものセリフを言うのは牛乳配達50年のベテラン明治楽乃
「えぇ、今日も調子いいですよ楽乃さん」
ははっはは、とオッサンは笑う

「今日は月曜だからちょっと多いからよ。今日つけて乗っけていけよ~」


新聞配達。
この時代に未だにこんなアナログな媒体が販売されているなんてナンセンスだ、
といういう人もいるが、あのかすかなインク臭がいいやら何やら
言う人も結構いるのだ。
とりあえずナルミはその特異な人たちのおかげで小遣いを稼いでいるわけで。

基本的に配達は裏道を使って次々に目的の家のポストや回収箱に入れていく。
中にはこんな奴もいたりする。

「うむ。今朝もご苦労だなナルミ。」

「阿院もご苦労なこって。あいよ、今日の新聞。
というか毎朝いったいどこまで掃いてるんだよ、ほんと」

「うむ。基本家のまわりすべて、だな。」

家…ってお前のうち…
「この神社の周り全部か!?馬鹿だろう!?」

「馬鹿、か…うむ。まぁサトリは馬鹿になって初めて啓けるものらしいのでな。」

「そんなもんなのかー。じゃ学校でな」

「うむ。あと今日のお前には受難のそうが見える。気をつけよ。」


岬川乳業をでてから40分後、
全ての配達を終えあとは戻るだけだ。
時間は5時。
すでに街は眼を覚ましつつある。
この時間になると大通りはもう通れたものじゃない。
なのでこのままいつもどおり裏通りを抜けて帰ることにした。

まだ日のでは先で頼りになるのはヘッドライトの明かりだけだ。
進行方向のさき、点滅を繰り返す街灯の下、一瞬だけ人影が見えたような気がした。
ナルミは無意識にヘッドライトをハイビームに切り替える。
酔っ払いや不良をひいてはたまらないと思ったのだ。

しかしそのヘッドライトの先に移ったのはあまりにも非現実的な光景だった。
まるでホラー映画のワンシーン。
血まみれの女性がひとり、ナルミのさえぎるように道路に横たわっていた。

やばいっ―ッ!!
しかし思ったときにはすべてが遅かった。
無謀な急ブレーキによって果汁の抜けた後輪はあっさりとロックし、
ナルミを乗せたペケジェイはむなしい排気音を残し、宙に舞っていった。


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